EMO,
2020年10月23日(金)—11月13日(金)
UP SIDE DOWN Gallery (東京)




















EMO.

光や空気に包まれた、いつもの街並みに、心を動かされることがあるように、ほんの少しの捉え方や、思い込みを変えれば、何気ないことも、全く違って見えることがある。

ネットの検索数や、SNSのフォロアー数が、大きな力を持っている今日だけど、ハラリという人の本に、自然に広がる噂話の大きさは、せいぜい多くても150人くらいが限界だと書いてあって、あまりオープンにやっていない自分のインスタのフォロアー数も、大体そのような数字になっていて、笑い話ながら、この統計が、妙に身に染みて感じている。

人は「耳で物を見る」種族のようで、空想やフィクションを共感できる能力に長けているからこそ、その延長線上に今日を築けたとも、その本には書いてあった。情報や噂で、人間社会ができていることを、はっきり言い始めた人が、やっと出てきて、誰かの言葉を鵜呑みにしすぎていた傾向に、疑いや、少し自分自身の意見を持つくらい、私たちの物事の見方に変化が起これば、きっともっと面白いのではないか、とも思った。

もちろん、目に映るものが全て真実というわけではないだろうし、虚構も重要な私たちの要素なのだけど、これだけ世界が一つになったように思えても、私たちが、共有できていない感覚や価値観が、まだまだたくさんあって、そういう無自覚な部分の無意識な伝播が、今日の争いや失敗の一因にもなっていることを、私たち自身、もっと気付いていくべきなのかもしれない。

今回、逆さまのギャラリーという名前の、UP SIDE DOWN Galleryは、こんな世界を反転して見てみるのには、うってつけの場所で、誰かの言葉だけに動かされるのではなくて、ちゃんと自分の目で見て捉えた、目の前にある物を、良いと思えたり、好きと言えるような、当たり前を考える、そんな細やかな機会になることができれば嬉しい。

2020年10月 門田光雅

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