SILENT TOPOLOGY
2020年7月5日(日)-7月25日(土)
M画廊(足利)





















サイレント・トポロジー


「何が門田の作品をこれほどにわかりにくく、魅力的にしているのか」

これは、三井知行さんに執筆いただいた、私の第一冊目のM画廊作品集のテキスト名で、私の作風の 変化や、絵画の多義性への興味に触れていて、その中に可能性が潜在していると、示唆いただいた。

時を経て、昨年の11月、軽井沢のセゾンや大阪のテヅカヤマさんの展示を終えて、NYの展覧会に招 聘された。Cy Twomblyの甥にあたるコーディさんが中心となって開催してくれたプライベートなショーで、数年前に私の作品を知った彼は、仲間たちと共に気持ちを深めてくれていて、大きなチャンスを私に与えてくれた。

「門田の作品は、ポリクロマティックだが、クロマティックに見える」

"作品の多様な色彩が統合してみえる"ということが、私を招致した理由だということだった。小さな頃から多動の気があって、誤解も多い中で、絵を描いてきた私だったが、「君は、まとまりが無い中でも、ちゃんとまとまっているよ」と、海の向こう側でも、自分の存在意義を認めてもらえたように思えた。

帰国後、M画廊の三村さんにこの報告を兼ねてお会いした帰りに、足利市立美術館で開催されていた 「安野光雅」展に立ち寄った。安野さんは私の名前の由来にもなった方で、昔から氏の作品の多くに親しんでいて、その中で「ふしぎなえ」と言う代表作の説明の一節に、”部分を見ればいいけど、全体を見ると理屈に合わない「ふしぎなえ」トポロジー”と書かれていて、 その時、三井さんや、コーディさんの言葉とも、繋がるような気がした。

全体と部分の不一致と統合。つまり「わかりにくい」とされたものが、今までの価値基準を越えて 「魅力」を得ることができたとき、私たちの日常に、新しい視点や考えの拡張が、もたらされる。
美術や、芸術には、そのようなトポロジーとしての役割があるのではないか、と。

安野さんの絵本のような「ふしぎ」な巡り合わせの中で、私は、また絵を描いていく事を、静かに誓ったのだった。


2020年7月 門田光雅

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Silent Topology

My work is polychromatic but looks chromatic. There’s disagreement among the colors and brushstrokes, both total and partial—as well as integration together as a collective concept. In other words, for this exhibition, what is said to be “incomprehensible” can be “attractive” beyond the existing value standards. The works in this show have a certain topology. Here, I explored whether art has a role similar to topology, of new perspectives and the expansion of ideas that will be brought into our daily lives depending on our perspective. Depending on whether we see the disagreement or the integration; whether we see the colors or the collective concept.

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