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2018


*開催中
●7月、足利のM画廊で個展を開催します。

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個展 「非時(ときじく)の絵画」

2018年7月15日(日)~8月5日(日)
開廊時間:10:00-18:30
休廊:毎週月曜、第2・4日曜

M画廊
326-0814 栃木県足利市通6丁目3159-1

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非時(ときじく)の絵画


 「価値がないものが、価値のあるものに変化していく」という昔話、「わらしべ長者」のエピソードをベースに、昨年の秋、M画廊で「藁しべの絵画」という展示を開催しました。当時、不十分な出来の作品や、未完成だった近作がアトリエに増えつつあり、自ずとそれらに加筆をしたことがきっかけでしたが、それは、「古いものを新しい作品へと再生し発展する感覚」といった、これまでとは異なる絵を描くアプローチとの出会いでした。作品の限界を自分自身で定めていた制作方法を深く省みる契機ともなり、そのような再スタートとしての意図と、ちょうど今日のアートシーンにも少し凝り固まった潮流を感じていていた最中で、それを解きほぐしてみたいという欲求や野心も沸いていて、その想いも潜在的に展示へと重ねたのでした。

 それから約一年。新しく出会った制作と向き合う一年でもあり、その成果や、次の発展の意味も込めて、今回、「非時(ときじく)の絵画」という展示名を考えました。「非時(ときじく)」とは、聞きなれない言葉ですが、正確には「非時香菓(ときじくのかくのこのみ)」という、日本神話に出てくる不老不死の実で、現在の「橘(みかんの原種)」の実のことです。「わらしべ長者」のお話では、「わらしべ」が、次に具体的に変化したものが「みかん」で、ちょうどその延長としても意味が当てはまったことと、「橘」が常緑樹で、その実の香りがいつまでも続くことから永遠を喩え、時間の束縛を受けない「非時」という異名がついたようで、旧作が時間を超えて新作へと繋がり、表現の希求を改めて再開し始めた私自身の態度や姿勢の代弁にもふさわしく、そこで制作した作品を「ときじく」のシリーズとし、この展示の中心にして臨むことにしました。

 今回、そのような自分自身の内面の変化もタイトルで示唆しているように「時間を超えた表現の結びつき」を、自分なりに考え、制作と向き合う時期やタイミングでもありました。私の作品は一見、「抽象表現」と呼べるような絵画を描いています。が、当時アメリカが、他のジャンルを受け付けない方法や、ヨーロッパとは異なる視点として編み出した「抽象表現主義」とは、地理的・歴史的にも大きな隔たりがあり、むしろその制約や制限を越えて、今日の日本という状況の中で「抽象の可能性を再抽出する」ことに、今日の新しい絵画の在り方や、未来があると強く考えています。「表現」の本来あるべき自由、時代や国境・文化などの様々なジャンルの壁を超えて、新しいイメージを継承しようとするとき、人間の探求(欲望)の触手に振り回されない人間性の本質も、そこで試されるではないでしょうか。

 「無知や異端をも武器に、自由が散乱している現代」とも言える今日の「なんでもあり」な美術の風潮を前に、改めて表現と深く冷静に向き合いたいと言う思いが大きくなる中、日本が古来から持つ伝統や美意識、そのようなものを今日に少しでも自在に引き出し継承できれば、と思い臨んだ展示でもあります。


2018年7月 門田光雅


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*終了しました
●5月、名古屋ギャラリーヴァルールでグループ展を開催します。




mutant 門田光雅 小島章義

2018 年5 月8 日(火)- 6 月9 日(土)
12:00-18:00 日・月休み

GALLERY VALEUR
465-0094 名古屋市名東区亀の井1-2-001
TEL/FAX :052-753-4638
Email:g-valeur@hotmail.co.jp

■ 地下鉄東山線一社駅 / 2 番出口より徒歩8 分
■ 駐車場あり/ No.1・No.2


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mutant


早緑が映える季節。窓の外では、春からまた夏へと、虫たちや木々はその準備を進めている。そのようなこの5月、門田光雅と小島章義の二人展を開催する。門田と小島は、同い年で、共に東京造形大学を卒業、過去に幾つか展示も一緒をしたことのある仲だ。現在、小島は愛知で、門田は埼玉で、お互い日々の生活の中で、それぞれの制作を進めている。今回の展示に向けて、昨年末に一度会って打ち合わせと意見交換をして、その後はメールのやり取りで今回の展示は「mutant」というタイトルに落ち着いた。


門田と小島も、避け難く日本という今日の立ち位置を意識して制作を展開している。小島は、骨太で奇妙な質と量を伴い、絵画という枠組みを利用する事で思想を体現する作風で「factor x」と呼ぶシリーズ名の中にも、小島の持つ不透明な視点かつ斜行的な精神性を垣間見る。門田は、絵画における色彩や筆致、メディウムといったフォーマルな問題から、その限界へと挑戦する中で、今日の新しい絵画表現を探求の中に、自分自身の態度の表明を試みている。お互い、何らかの今日への潜在的なズレや、結果的に特殊な作品の様相や志向…そのような共通認識が、今回の展示の準備を進め、交流をする中で炙り出てきた。それが今回の展示の方向性となっている。


この日本における文化的違和感、国際感覚との相違とも呼べるものは、私たち以外にも多くの日本の美術関係者が感じ取っている共時的な問題であると思う。例えば、最近のテレビドラマ一つをとっても、欧米のものでは必ず当たり前のように大きな絵画や作品が様々なシーンで使用されていること対し、日本のものでは、精々ポップなものか、パンキッシュな既製品のポスターが気恥ずかしげに貼ってあるのが関の山ではないか…生活空間の大きさ違いだけでは片付けられない、一般における美術の決定的な根付き方の違いが見える。


経済的には先進国である日本は、この文化的な後進がより顕著に映るのかもしれない。そのような時、文化の異端性や未熟さを主体として推進してきた近年の日本のアートシーンが、どれほど有効であったのかを、そろそろ問い直したい気持ちがある。地理的・歴史的な独自の流入や分断、ねじれによってガラパゴス化が進む今、文化の新たな風通しや展望を求めることは、小島や門田のような、40代を迎えるこれからの美術を担う中堅の作家たちの仕事であると切に思う。かつて小島も門田も学生だった頃は、美術史のはじまりはフランスで見つかった洞窟の壁画が人と動物を峻別したと習った。が、最近の研究では、フランスよりもインドネシアあたりで、最古の壁画が見つかったと聞く。西洋を取り巻くイメージ・その神話性のメッキも剥がれ始めている現代だからこそ、今日を改めて振り返りたい。


日本の文化的孤立や世界史の再考をも尻目に、時代はまた大きな転換を迎えている。シンギュラリティといった産業革命以降の新たな技術革新も目前に迫り、同時に、生物は6度目の大量絶滅期にも突入しているという。生き物としての在り方までも岐路に直面している現代というタイミングの中で、人の営みに根ざす作品を望む門田や小島のような者たちが異質な存在となる…終末期のフラグではないかと冗談と本気を半々に、今回の展示名である「mutant=突然変異」は、ほとんどの場合、無意味で有害性ですらあるが、それゆえに極めて稀な進化の原動力になる、といった今日の様々なアンバランスな二面性の象徴をも込めてみた。


それが届くかどうかは知れずとも全力で、一瞬の恍惚を全身で感じ生き、今日という流れを遡上し越えようとする…私たちの無謀かつ矛盾的な態度を代弁しつつも、芸術家が持つ本来の役割や手腕を試し、しがらみの現代で、古代や原始から始まった表現の起源を省みる、野心的な投企の展示になれば、と願いつつ。


2018年4月 門田光雅・小島章義


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*終了しました
●3月9日から11日まで、アートインパークホテル東京2018にM画廊から出品します。
https://www.aipht.artosaka.jp


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